管楽器は何故、色々な調の楽器があるのか(移調楽器)
管楽器に様々なキーが存在する訳、それは簡単に説明してしまうと、それは音色の問題なんです。
もともと弦楽器や鍵盤に比べ歴史の浅い管楽器は、開発された当初から様々なキー(長さ)のものが実験的に作られていました。
オーケストラでの活躍が期待されたクラリネットは、モーツアルトの時代には音色が暗く甘いA管が主流になっていくのです。
しかしブラームスの時代になると明るさも求められるようになり、少し短いB♭管が主流に。
近年は現代音楽やブラスバンドの普及でE♭管やバスクラも需要が増え、今ではこの4種類が一般的になってきましたね。
しかし今でもトルコの方の民族音楽は長いG管のクラリネットで演奏しているそうで、エキゾチックな音色がマッチするようです。
一方サックスは2オクターブしかでない楽器なので、開発したアドロフサックスさんはソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類を作ることで幅広い音楽に適応させようと考えたのではないでしょうか。
はじめは、クラシックの分野で求められる明るくシャープな音色のE♭のアルトが主流でした。
ポピュラー音楽でもサックスが使用されるようになると、ブルースなどで渋く男声的な響きを持つB♭のテナーが普及していきます。
ちなみにジャズのスタンダード曲のオリジナルキーがE♭とかB♭とかが多いのはサックスが演奏しやすいようにという事らしいです。
金管楽器もいろんなキーがありますが、まあ全て長い歴史の中で一番その楽器の良さ、音楽の良さが出せるキーに落ち着きましたね。。
written by サックス奏者 宮田よし
投稿日:2015年03月04日
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